专利摘要:
エチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマーと、官能性モノマーを含むポリオレフィンとをベースにした結合剤。本発明結合剤は太陽電池モジュール内の複数の支持体に接着する優れた接着特性と、モジュール内での結合剤の使用に有利な十分な透明性および電気抵抗特性を有する。エチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマー(A)と官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)との混合物を含む結合剤であって、B/(A+B)重量比が0.05〜1である結合剤。
公开号:JP2011511875A
申请号:JP2010546382
申请日:2009-02-13
公开日:2011-04-14
发明作者:ロラン;ベー. カルティエ,;オリヴィエ コラス,;カトリーヌ コルフィアス−ヅッカリ,;サミュエル デヴィズム,
申请人:アルケマ フランス;
IPC主号:C08L23-08
专利说明:

[0001] 本発明は、接着特性を有するエチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマーとポリオレフィンとをベースにした結合剤(バインダー)に関するものである。
本発明の結合剤は太陽電池モジュールのカプセル材料として有利に使用できる。]
背景技術

[0002] エチレン/ビニルエステルコポリマーから成る結合剤は所定ポリマー材料(例えばポリエチレンまたはポリスチレン)または金属への接着が可能であるということは公知である。この結合剤の利点は安価で、透明で、使い易い点であり、そうしたコポリマーの中ではエチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)が特に挙げられる。この結合剤は複数の分野、例えばソーラーパネル(「太陽電池モジュール」ともよばれる)や合わせガラスの分野でも使用されている。]
[0003] しかし、ある種用途では支持体(ガラス、ポリメチルメタクリレート:PMMA)に対する接着力が不十分である。特に、EVAは太陽電池モジュールの分野では太陽電池を「封止(encapsuler)、カプセル化」するための結合剤として用いられるが、複数の太陽電池は一般に金属線で互いに接合され、EVAベースの結合剤は金属およびシリコン結晶に接着する特性を有するので、電池が空気中の二酸素と接触するのを防ぎ、その腐食を制限する。これが「封止材料」としての役目である。この封止済み太陽電池はモジュールの下側保護支持体(バックシートとよばれる)上に配置される。この支持体の主たる役目は太陽電池を湿気から守ることにある。このバックシートはフルオロポリマー/ポリエチレンテレフタレート/フルオロポリマータイプまたはフルオロポリマー/ポリエチレンテレフタレート/EVAタイプの多層構造物にすることができる。太陽電池モジュールの結合剤とは反対側にはガラスまたは透明ポリマーのシートを配置して衝撃および外界の湿気から電池を守る。この上側保護層は一般に「フロントシート」とよばれる。封止材料が上記の構造物の各種支持体(電池、バックシート、フロントシート)に十分に接着しないと、湿気または空気がソーラーパネル内で電池および結合剤と接触し、電池が損傷し、バックシート/封止材料界面または封止材料/フロントシート界面での層間剥離が起き、老化が進む。]
[0004] 同様に、合わせガラスの場合にもEVAはガラスシート間で結合剤の役目をするが、純粋なEVAを用いた場合には時間の経過でシート間に層間剥離が見られることがある。
さらに、EVAから成る結合剤はPMMAにほとんど接着しないが、ソーラーパネルではガラスの保護層の代わりにPMMAのシートを用いることもできる。
さらに、合わせガラスの場合には、例えば、PMMA層全体に有機顔料を添加して着色構造物にすることで少なくとも一つの層をPMMAで作ることができる。]
[0005] こうした接着の問題を解決するために、EVAベースの結合剤とカップリング剤(couplage)を混合することが多い。このカップリング剤は結合剤と支持材との接着を改良するもので、有機チタン酸塩またはシランの中から選択される化合物である。ソーラーパネル組立時には各部品をラミネーション(貼合せ)で組み立て、シリコン膜を介してパネルを真空下に吸引するが、このシリコン膜はカップリング剤と接触すると分解する傾向がある。従って、その使用を制限する必要がある。しかし、シリコン膜は高価であり、その交換の間、製造を停止する必要がある。そのため、太陽電池モジュールの製造メーカにとっては現在の大きな問題になっている。さらに、カップリング剤は水分と接触すると加水分解し、時間とともにその活性を失う傾向がある。
さらに、PMMAの場合、カップリング剤の効果が極めて弱く、ソーラーパネルおよび合わせガラスの分野でのその使用に十分な接着性を保証できない。]
[0006] このEVA結合剤の代替案は既に従来技術に記載されている。
特許文献1(国際特許第2006/093936号公報)には、ソーラーパネルの寿命を延ばすために吸収剤を添加して時効挙動を改良した封止材料が記載されている。しかし、この文献ではパネルの各部品間の接着性の改良は対象ではない。]
[0007] 特許文献2(米国特許第2006/0165929号明細書)には、少なくとも3つの層を含む多層構造物が記載されている。内側層は2つのアイオノマー層の間に挿入されたポリマー層である。この構造物はガラス支持体との結合剤の役目をするが、この特許では3層構造物を製造する必要があり、製造プロセスが複雑になり、製造コストが上がる。]
[0008] 特許文献3(米国特許第6,414,236号明細書)には、エチレン/不飽和脂肪酸エステル/不飽和脂肪酸ターポリマーから成る結合剤が記載されている。この結合剤によってより良い耐熱および耐湿老化性を得ることができる。]
[0009] 特許文献4(本発明者の米国特許第2005/0069710号明細書)には、基材の被覆に有用な多層構造物が記載されている。このフィルムはフルオロポリマーと官能化ポリマー(官能化PMMAにすることができる)との混合物の一つの層から成り、エチレン/(メタ)アクリレート/エポキシドコポリマーから成る結合層に接着される。この結合剤はPMMAが官能化された場合にだけ混合物の層に接着する。さらに、高温、高圧下(240℃、40MPa)でプレスして接着させなければならず、それによって支持体の各部品の熱分解、さらに変形が起ることがある。例えば、上記温度ではこの温度で脱気する可能性のあるカップリング剤は使用できない。]
[0010] 太陽電池モジュールで結合剤を使用する、特に太陽電池の封止材料として使用できるようにするためには、結合剤は優れた透明特性を有するのが有利である。すなわち、封止化した太陽電池の効率は太陽電池の被覆層を通過する際に太陽の放射線が減少しない方が高くなる。]
[0011] 透明な結合剤は透明度(ヘイズ) が20%以下、例えば10%以下であるのが好ましい。この透明度 (ヘイズ) はASTMD1003規格に従って500μm厚さの結合剤のフィルムを可視範囲(380〜/80nm)の少なくとも一つの波長で測定して評価する。
さらに、結合剤の電気抵抗は十分に高いことが好ましい。抵抗が高いと、太陽電池モジュールがショートする危険無しに封止用フィルムの厚さを薄くすることができる。結合剤は23℃、100μmのフィルムの0.01Hzの周波数で測定した電気体積抵抗が1014オーム.cm以上であるのが有利である。
従って、化学的性質および表面エネルギーが極めて異なる支持体(ガラス、プラスチック、金属、シリコン結晶等)を組み合わせることができ且つ上記の問題を解決できる結合剤を開発するというニーズがある。]
先行技術

[0012] 国際特許第2006/093936号公報
米国特許第2006/0165929号明細書
米国特許第6,414,236号明細書
米国特許第2005/0069710号明細書]
発明が解決しようとする課題

[0013] 本発明の目的は、単一層フィルムの形にすることができ、しかも、従来のEVAベースの結合剤と比べてガラス、金属、シリコン結晶またはポリマー材料、特に官能化または非官能化PMMAのような各種支持体への接着力が改良された結合剤を提供することにある。
本発明の結合剤は上記従来の解決策より経済的に製造できる。]
課題を解決するための手段

[0014] 本発明の結合剤はエチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマー(A)と官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)との混合物を含み、B/(A+B)重量比は0.05〜1であり、例えば0.05〜1、さらに好ましくは0.05〜0.5である。
これらの2つのポリマーの混合物は単一層フィルムの形をとることができ、しかも、ガラス、金属、シリコン結晶またはポリマー材料、特にPMMAのような各種支持体に対して接着特性を有する結合剤となる。
本発明は特に、この結合剤の太陽電池モジュール、特に太陽電池の封止材料としての使用に関するものである。
本発明結合剤の別の利点は、シランのようなカップリング剤を用いなくても良好な接着力を有する点にある。]
[0015] 本発明結合剤はさらに、結合剤を低温および/または減圧下でプレス成形した場合にも、太陽電池モジュールの各種支持体に接着する。「低温」とは160℃以下、さらには150℃以下の温度を意味する。「減圧」とは10MPa以下の圧力を意味する。さらに、本発明結合剤は太陽電池モジュールの封止材料として使用可能な透明性と電気抵抗とを有する。]
[0016] B/(A+B)が1である本発明実施例では、本発明組成物はエチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマー(A)を含まない。
B/(A+B)重量比は0.05〜0.4、好ましくは0.15〜0.4であるのが有利である。]
[0017] 本発明結合剤はさらに、費用対効果がバランスし、結合剤を経済的なものにする。
発明の詳細な説明でポリマーすなわちコポリマー(A)またはポリオレフィン(B)がモノマーを含む場合、これらモノマーはポリマー中で重合した形をしていることを意味する。
ポリオレフィン(B)およびコポリマー(A)中での各モノマーの量は例えばフーリエ変換赤外分光およびISO 8985規格といった周知の技術を用いて測定できる。]
[0018] ポリオレフィン(B)はモノマーとしてα−オレフィンを含むポリマーである。α−オレフィンはエチレンであるのが好ましい。
本発明の第1実施例では、官能性モノマー(X)はポリオレフィン(B)にグラフトされる。
本発明の第2実施例では、官能性モノマー(X)はポリオレフィン(B)の鎖に共重合される。]
[0019] ポリオレフィン(B)中に含まれる官能性モノマー(X)の量は好ましくは0.05〜10重量%で、このモノマーはグラフトまたは共重合される。
ポリオレフィン(B)中に含まれるこれら官能性モノマー(X)は無水マレイン酸であるのが有利である。
本発明の好ましい結合剤の一つは、官能性ポリオレフィン(B)としてエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーを含む。
本発明の別の特に好ましい結合剤は官能性ポリオレフィン(B)としてエチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸コポリマーを含む。]
[0020] ポリオレフィン(B)は官能性モノマー(X)として不飽和エポキシドをさらに含むことができ、これはグリシジルメタクリレートであるのが好ましい。グリシジルメタクリレートを含むポリオレフィン(B)の例としては、エチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーまたはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマーが挙げられる。]
[0021] ポリオレフィン(B)が不飽和エポキシドを含む場合、本発明組成物の抵抗および透明性は優れている。太陽電池モジュールで通常用いられるガラス、PMMAまたはバックシートタイプの支持体との接着力が特に改良される。従って、本発明結合剤は封止材料として使用するのが特に有用である。
コポリマー(A)はエチレン/酢酸ビニルコポリマーであるのが有利である。
コポリマー(A)中のカルボン酸ビニルエステル含有率は有利には15〜60重量%、さらに好ましくは25〜45重量%のビニルエステルである。]
[0022] 本発明の組成物はフィルムの形をとることができる。上記コポリマー(A)のビニルエステル範囲ではフィルムは良好な接着特性を有し、公知の加工方法で容易に成形できる。]
[0023] 本発明結合剤のメルトフローインデックス(MFI)は1〜400g/10分、好ましくは40〜300g/10分(ASTMD 1238 190℃/2.16kg)であるのが有利である。当業者は適切なモル質量および適切なコモノマー含有率を有するポリマー(A)および(B)を選択することによって、または、B/(A+B)重量比を変えることによってこの結合剤を容易に製造できる。このメルトフローインデックス範囲の結合剤はより大きな接着力を有すると同時に、通常の押出ブロー成形、押出積層、押出コーティング、カレンダー仕上げまたは注型押出法によってフィルムの形で押し出しできる。本発明のフィルムの形成には押出ブロー成形、注型押出またはカレンダー仕上げを用いるのが好ましい。当業者は本発明結合剤からフィルムを形成できるように、これらの押出法の操作条件(押出機内の温度、スクリューの回転速度、ローラ速度)を容易に決めることができる。]
[0024] 本発明組成物がフィルムの形をとる場合、その厚さは50〜2000μmであるのが好ましい。
本発明結合剤は添加剤、例えば架橋剤、カップリング剤または紫外線(UV)安定剤または着色剤をさらに含むことができる。
本発明の別の対象は、上記定義の結合剤と、ガラス、ポリマー、金属またはシリコン結晶で作られる少なくとも一つの支持体とを含み、結合剤が支持体と直接接触している多層構造物にある。]
[0025] 別の好ましい構造物では、少なくとも一つの支持体がPMMAで作られる。
驚くべきことに、ガラスとPMMAの表面は表面特性が極めて異なるにもかかわらず、本発明結合剤は両方の支持体に結合する。この多価性は本発明の利点の一つである。この多価性がないと、支持体の表面の予備処理が必要となる。]
[0026] 本発明のさらに別の対象は本発明の結合剤フィルムから得られる多層構造物の製造方法に関する。
本発明のさらに別の対象は結合剤のソーラーパネル、特に太陽電池製造での封止材料としての使用にある。
本発明のさらに別の対象はこの結合剤を含む太陽電池モジュールにある。
本発明のさらに別の対象は、ソーラーパネルまたは合わせガラスの製造での本発明の構造物の使用にある。]
[0027] 本発明結合剤はエチレン/ビニルエステルコポリマー(A)と官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)との混合物を含む結合剤であって、B/(A+B)重量比が0.05〜1、好ましくは1以下、さらに好ましくは0.05〜0.5である。]
[0028] ポリオレフィン(B)はモノマーとしてα−オレフィンを含むポリマーである。
2〜30の炭素原子を有するα−オレフィンが好ましい。
α−オレフィンの例としてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセンおよび1−トリアコンテンが挙げられる。α−オレフィンとしてはエチレンが好ましい。]
[0029] このポリオレフィンは単一のα−オレフィンがポリマー鎖中で重合されたホモポリマーにすることができる。その一つの例としてはポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)が挙げられる。
このポリオレフィンは、少なくとも2つのコモノマーがポリマー鎖中で共重合されるときはコポリマーにすることもできる。2つのコモノマーのうちの一方(「第1コモノマー」とよぶ)はα−オレフィンである。]
[0030] 第2コモノマーの例としては、下記のものが挙げられる:
(1)上述したα−オレフィンの一つであって、第1α−オレフィンコモノマーとは異なるもの、
(2)ジエン、例えば1,4−ヘキサジエンまたはエチリデンノルボルネン、
(3)不飽和カルボン酸エステル、例えばアルキル(メタ)アクリレートに分類されるアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート。これらの(メタ)アクリレートのアルキル鎖は30以下の炭素原子、有利には1〜12の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子を有することができる。アルキル鎖の例としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシルが挙げられる。不飽和カルボン酸エステルとしてはメチル、エチルおよびブチル(メタ)アクリレートが好ましい、
(4)カルボン酸ビニルエステル。カルボン酸ビニルエステルの例としては、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルまたはマレイン酸ビニルが挙げられる。カルボン酸ビニルエステルとしては酢酸ビニルが好ましい。]
[0031] ポリオレフィン(B)中で種々の「第2コモノマー」を共重合しても本発明の範囲を逸脱するものではない。
本発明では、ポリオレフィン(B)は少なくとも一種の官能性モノマー(X)を含む。]
[0032] ポリオレフィン(B)中に含まれる官能性モノマー(X)としては下記のものが挙げられる:
(1)不飽和エポキシド。不飽和エポキシドとしては例えば脂肪族グリシジルエステルおよびエーテル、例えばアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルマレエートおよびイタコネート、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートである。また、これらは例えば脂環式グリシジルエステルおよびエーテル、例えば2−シクロヘキシ−1−エングリシジルエーテル、ジグリシジル4,5−シクロヘキセンカルボキシレート、グリシジ4−ルシクロヘキセンカルボキシレート、グリシジル5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボキシレートおよびジグリシジルエンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシレートでもよい。
(2)不飽和カルボン酸およびその塩、例えばアクリル酸またはメタクリル酸およびこれらの酸の塩、および
(3)無水カルボン酸。これらは例えば下記の中から選択できる:無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリル琥珀酸、1,2−シクロヘキシ−4−エンジカルボン酸、4−メチレン−1,2−シクロヘキシ−4−エンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]へプト‐5−エン−2,3−ジカルボン酸およびx−メチルビシクロ[2,2,1]へプト−5−エン−2,2−ジカルボン酸無水物。
グリシジルメタクリレートを用いるのが好ましい。
さらに、官能性モノマー(X)として無水マレイン酸を用いるのが好ましい。]
[0033] 官能性モノマー(X)はオートクレーブまたは管状反応器プロセスによってポリオレフィン(B)の鎖中で共重合でき、および/または、ポリオレフィン(B)にグラフトすることができる。オートクレーブまたは管状反応器プロセスによる官能性モノマー(X)を用いた各種モノマー(α−オレフィン、一種以上のコモノマー)の重合は当業者に公知である。同様に、グラフト操作それ自体も公知である。]
[0034] 異なるいくつかの官能性モノマー(X)を共重合および/またはグラフトした場合、官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)は本発明によるものである。
官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)が、少なくとも一つのポリオレフィン(B)が共重合および/またはグラフト化官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)の混合物で構成されても本発明の範囲を逸脱するものではない。
ポリオレフィン(B)に官能性モノマー(X)がグラフトした第1実施例での官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)としてはモノマー(X)がグラフトされたエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーが特に好ましい。アルキル鎖は9個以下の炭素原子を有するのが好ましい。このコポリマーは50重量%以下、好ましくは25〜45重量%の(メタ)アクリレートを含むのが有利である。]
[0035] 特に、官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)としては、モノマー(X)をグラフトしたエチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマーが好ましい。このコポリマーは50重量%以下、好ましくは25〜45重量%のビニルエステルを含むのが有利である。]
[0036] 官能性モノマー(X)がポリオレフィン(B)中に共重合した第2実施例では、官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)として3つのコモノマーを共重合して得られるエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーを用いるのが好ましい。アルキル鎖は9個以下の炭素原子を有するのが好ましい。このコポリマーは50重量%以下、好ましくは25〜45重量%のアルキル(メタ)アクリレートと、0.05〜10重量%の無水マレイン酸を含むのが有利である。]
[0037] さらに、官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)としては、3つのコモノマーを共重合して得られるエチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸コポリマーを用いるのが好ましい。このコポリマーは50重量%以下、好ましくは25〜45重量%の(メタ)アクリレートと、0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜2重量%の無水マレイン酸を含むのが有利である。]
[0038] 官能性モノマー(X)をポリオレフィン(B)に共重合する別の実施例は、不飽和エポキシド(X)、例えばグリシジルメタクリレートを含むコポリマーである。このポリオレフィンは、全重量のポリオレフィン(B)に対して、70〜99.9重量%のα−オレフィンと、0.1〜30重量%の不飽和エポキシド(X)とを含むのが好ましい。このポリオレフィン(B)はエチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーにすることができる。]
[0039] ポリオレフィン(B)はα−オレフィン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマーにすることもできる。このポリオレフィンは、全重量のポリオレフィン(B)に対して、45〜84.9重量%のα−オレフィンと、15〜35重量%のアルキル(メタ)アクリレート/と、0.1〜20重量%の不飽和エポキシド(X)とを含むのが好ましい。α−オレフィンはエチレンであるのが好ましい。]
[0040] エチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマー(A)としては、(B)がコポリマーのときに第2コモノマーとして挙げたものと同じカルボン酸ビニルエステルが挙げられる。エチレン/酢酸ビニルコポリマーが好ましい。]
[0041] 本発明結合剤は、ポリオレフィン(B)(さらに、必要に応じてコポリマー(A))とも異なる少なくとも一種の追加のポリマー、特に少なくとも一種の追加のポリオレフィンをさらに含むことができる。追加のポリオレフィンの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレンのコポリマー、例えばエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。]
[0042] コポリマー(A)および/またはポリオレフィン(B)はランダムポリマーであるのが好ましい。これらは当業者に公知の方法でモノマーの高圧重合で得るのが有利である。この重合は例えば管状反応器またはオートクレーブ内で行う。使用可能な共重合法は特許文献5(米国特許第4788265号明細書)、特許文献6(米国特許出願第2006/0149004A1明細書)、特許文献7(米国特許出願第2007/0032614 A1明細書)、特許文献8(フランス国特許第2660660号公報)、特許文献9(フランス国特許第2498609号公報)、特許文献10(フランス国特許第2569411号公報)、特許文献11(フランス国特許第2569412号公報)に記載されている。
米国特許第4788265号明細書
米国特許出願第2006/0149004A1号明細書
米国特許出願第2007/0032614 A1号明細書
フランス国特許第2660660号公報
フランス国特許第2498609号公報
フランス国特許第2569411号公報
フランス国特許第2569412号公報]
[0043] 本発明結合剤に含まれるポリオレフィンは当業者に公知の触媒法、例えばチーグラ−ナッタ触媒またはメタロセン触媒を用いて合成できる。「メタロセン触媒」とは一般にジルコニウムまたはチタン元素とこの金属に結合した2つの環状アルキル分子とで構成されるモノサイト触媒を意味する。特に、メタロセン触媒は一般に金属に結合した2つのシクロペンタジエン環で構成される。この触媒は共触媒または活性剤としてのアルミノオキサン、好ましくはメチルアルミノオキサン(MAO)と一緒に用いられることが多い。シクロペンタジエンが結合する金属としてハフニウムを用いることもできる。他のメタロセンはIVA、VAおよびVIA族の遷移金属を含むことができる。ランタニド系列の金属を用いることもできる。「モノサイトメタロセン触媒で得られるポリオレフィン」とは多分散指数が3以下であるポリオレフィンを意味する。多分散指数は重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn比)で定義される。]
[0044] 本発明結合剤は主としてポリオレフィンをポリマーとして含むことができ、例えば本発明結合剤は結合剤のポリマーの全重量に対して90%以上、さらには95%以上のポリオレフィンを含むことができ、あるいは、結合剤のポリマーとしてのポリオレフィンで構成できる。]
[0045] 本発明結合剤は添加剤、特に太陽電池パネルで通常用いられる添加剤をさらに含むことができる。その一例としては架橋剤、カップリング剤、紫外線(UV)安定剤、充填剤および可塑剤をさらに含むことができ、難燃剤または着色または増白化合物を添加することもできる。]
[0046] 架橋剤としては、イソシアネートまたは有機過酸化物が挙げられる。この架橋剤によって結合剤の熱安定性、特に耐クリープ性および支持体との接着性を改良できる。これらの特性は、結合剤を合わせガラスまたはソーラーパネルの形成に用いるときに特に重要である。]
[0047] 組成物がカップリング剤を含むことができない場合でも、接着性を特に高くしなければならないときには接着性を改良するために、有機チタン酸塩またはシランはカップリング剤等を添加できる。これらの中ではモノアルキルチタネートまたはトリクロロシランおよびトリアルコキシシランが挙げられる。]
[0048] 紫外線照射はフィルムの黄変を引き起こすので、フィルム寿命期間中の透明性を保証するために紫外線安定剤を添加できる。化合物は例えばベンゾフェノンまたはベンゾトリアゾ−ルをベースにすることができる。
本発明組成物の熱機械強度を改良するために、充填剤、特に無機充填剤を添加できる。例として、シリカ、アルミナ、タルクまたは炭酸カルシウムまたはカーボンナノチューブが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ナノスケールで混合した改質または非改質クレーを用いるのが有利であり、これによってより透明な組成物を得ることができる。]
[0049] 加工を容易にして組成物および構造物の製造プロセスの生産性を高めるために、可塑剤を添加できる。その一例としてはパラフィン油、芳香油またはナフタレン鉱物油が挙げられる。可塑剤としてはさらに、フタル酸塩、アゼライン酸塩、アジピン酸塩およびリン酸トリクレジルも挙げられる。
難燃剤を添加することもできる。
着色または増白化合物を添加することもできる。
本発明結合剤のMFI(ASTMD 1238 190℃/2.16kg)は0.1〜1000g/10分にすることができる。この結合剤のMFIは1〜400g/10分であるのが有利であり、接着性がさらに改良されると同時に、押出積層、押出ブロー成形等の通常の技術によって本発明の結合剤のフィルムを得ることができる。このフィルム形状は、複数の層を単純に組み立てた後にプレスすることによって多層構造物の製造を可能にする。]
[0050] 本発明結合剤は多価性が極めて高く、化学的性質または表面エネルギーが大きく異なる各種支持体に接着できる。支持体としては下記のものが挙げられる:
ガラス、
金属、
ポリマー、例えばPMMA、EVA、PEまたはPP、
単結晶または多結晶シリコン結晶、および、
ソーラーパネルのバックシート。バックシートの例としては、表面処理されたフルオロポリマー/PET/フルオロポリマー多層構造物またはフルオロポリマー/PET/EVA/多層構造物が挙げられる。結合剤とバックシートとの接触領域はそれぞれ表面処理されたフルオロポリマーまたはEVAである。]
[0051] バックシートの表面処理では、結合剤との接着性を高めるために下塗り材料を用いることができる。下塗り層としては熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、オルガノシランまたはシリコンが挙げられる。本発明結合剤はこれらの下塗り層との優れた接着性も有する。バックシートはプラズマ処理、例えばコロナ処理によって処理することもできる。]
[0052] フロントシートの例としてはガラスのシートまたは透明ポリマー、例えばPMMA、ポリアミドまたはフルオロポリマーのシートまたはフィルムが挙げられる。]
[0053] 本発明の太陽電池モジュールの製造方法では任意タイプの太陽電池が使用できる。例えば単結晶または多結晶ドープシリコンをベースにした「従来型太陽電池」として知られる電池を使用できる。太陽エネルギーを得るために例えばアモルファスシリコン、テルル化カドミウム、二セレン化銅インジウムまたは有機材料から形成される薄膜太陽電池も使用できる。]
[0054] 本発明結合剤を含む太陽電池モジュールは周知の技術で製造できる。例えば、フィルムの形をした組成物を用いることができる。このフィルムは太陽電池の封止剤として使用できる。モジュールを製造するために、第1フロントシート層の上に封止材料の第1層、太陽電池、封止材料の第2層、次いでバックシート層をこの順番で組み立てることができる。]
[0055] 太陽電池モジュールは例えばホットプレスまたは真空プレス、貼り合わせ、特に加熱貼り合わせによって成形できる。真空プレスが特に好ましい。本発明結合剤は低温(160℃以下、さらには150℃以下)で取付けできるので加熱貼り合わせに特に適している。]
[0056] モジュールの製造法は、各層を組み立てた後に封止材料の層を架橋する段階を含む。
本発明結合剤はISO 8510−1規格に従った90°剥離試験においてガラスに対する接着力が少なくとも10N/15mmであるのが好ましい。
本発明結合剤は接着剤がISO 8510−1規格に従った90°剥離試験においてPMMAに対する接着力が少なくとも10N/15mmであるのが好ましい。
多層構造物の各層は例えばホットプレスまたは真空プレス、貼り合わせ、特に加熱貼り合わせで成形できる。真空プレスが特に好ましい。本発明結合剤は低温(160℃以下、さらには150℃以下)で取付けできるので加熱貼り合わせに特に適している。]
[0057] 本発明の実施例および比較例では下記化合物を用いた:
EVATANE(登録商標)28−150:これは酢酸ビニル含有率が28重量%の酢酸ビニルで、MFI(ASTMD 1238、190℃、2.16kg)が150g/10分のアルケマ社のエチレン/酢酸ビニルコポリマーである。
EVATANE(登録商標)33−45:酢酸ビニル含有率が33重量%の酢酸ビニルで、MFI(ASTM D 1238、190℃、2.16kg)が45g/10分のアルケマ社のエチレン/酢酸ビニルコポリマー。]
[0058] OREVAC(登録商標)ターポリマー9305:酢酸ビニル含有率が28重量%で、無水マレイン酸含有率が0.8重量%で、MFI(ASTMD 1238、190℃、2.16kg)が180g/10分のアルケマ社のエチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸コポリマー。
LOTADER(登録商標)7500:エチルアクリレート含有率が17重量%で、無水マレイン酸含有率が2.8重量%で、MFI(ASTM D 1238、190℃、2.16kg)が70g/10分のアルケマ社のエチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー。
LOTADER(登録商標)4700:エチルアクリレート含有率が29重量%で、無水マレイン酸含有率が1.3重量%で、MFI(ASTM D 1238、190℃、2.16kg)が7g/10分のアルケマ社のエチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー。
LOTADER(登録商標)8950:メチルアクリレート含有率が19重量%で、グリシジルメタクリレート含有率が9重量%で、MFI(ASTM D 1238、190℃、2.16kg)が85g/10分のアルケマ社のエチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー。]
[0059] LUPEROX(登録商標)TBEC:OO−tert−ブチルおよびO−(2−エチルヘキシル)ぺルオキシカーボネートを含む有機過酸化物組成物。
カップリング剤:シラン
LACQTENE(登録商標)1020FN24:MFI(ASTMD 1238、190℃、2.16kg)が2.1g/10分のトータル・ペトロケミカルズ社の低密度PE。
ALTUGLAS(登録商標)V825HID:厚さが3.2mmで、ビカー軟化点が111℃(ASTM D 1525、モードA、1kg)で、室温での曲げ弾性率(ASTM D 790)が3200MPaのAltuglas社のPMMAシート。
ガラス:3mmシート
バックシートフィルム:PVDF/PET/PVDF]
[0060] 架橋剤を含まない配合物
低密度PE/結合剤/ガラスまたはPMMA構造物
ここでは、本発明結合剤および比較例の結合剤と、ガラスまたはPMMAの層との接着性を測定した。
本発明結合剤(EX1、EX2、EX3、EX4)および比較例(CP1、CP2)を各化合物の重量比とともに[表1]に示す。]
[0061] 実施例EX3およびEX4の化合物は押し出し前にバック(袋)の中で予備混合した。
接着力を測定するために、PE/結合剤多層フィルムを注型フィルム技術によって共押出した。LDPEをCollin単軸共押出機(軸径=45mm、長さ/直径比=25)で、50回転/分で押し出した。6つの加熱帯域の温度は200℃/230℃/240℃/250℃/250℃/250℃にした。結合剤はCollin単軸共押出機(軸径=30mm、長さ/直径比=25)で、20回転/分で共押出し、温度は共押出される結合剤の固有流動性によって決定した。従って、6つの加熱帯域の温度は実施例CP1、CP2、EX5では80℃/100℃/100℃/110℃/110℃/110℃となるようにセットし、実施例EX1〜EX4では60℃/70℃/80℃/80℃/80℃/80℃となるように合わせた。2つの押出機から幅が250mmで最終ギャップが500μmのシートダイを備えたフィードブロックへ供給した。これらの装置の内部温度は230℃に設定した。こうして製造された2層フィルムを空気中でダイ出口から4.9m/分の速度で引き出し、20℃に設定した冷却ロールに導き、多層フィルムを成形した。PEおよび結合剤のそれぞれの厚さは200μmおよび20μmであった。]
[0062] 得られたPE/結合剤フィルムを、110℃、3barの圧力下で15分間、PMMAまたはガラス支持体に、結合剤面が支持体と直接接触するように、押圧した。得られた試験片を室温に冷却し、製造直後に剥離強度を測定した。剥離強度はISO 8510−1規格に従った90°剥離試験によって評価した。
この試験で測定した実施例および比較例の剥離強度は[表2]に示す。]
[0063] 得られたフィルムの透明性(ヘイズ)および抵抗も測定した。配合物CP2、EX1〜EX5を80℃/100℃/100℃/110℃/110℃/110℃に設定した6つの加熱帯域を用いて結合剤を押し出すのに用いた押出機と同じCollin押出機で押し出した。得られた配合物を120℃でプレスして厚さが100μmのフィルムを調製した。この結果も[表2]に示す。]
[0064] 各種フィルムのヘイズはCM−3610d分光測色計と結果分析用SpectraMagic NXソフトウェアを用いて測定した。試験した全てのフィルムで、ヘイズは透過モードでASTMD1003−97規格に従って測定した。
電気体積抵抗はNovocontrol Concept 40誘電分光計を用いて23℃で測定した。サンプルの低周波数(0.01Hz)が周波数の影響を受けない場合、その抵抗値を記録した。]
[0065] ]
[0066] 試験中に、PEと結合剤との間の接着は破断しないことが確認された。従って、剥離強度は支持体と結合剤との間でのみ測定された。
EVA結合剤(CP1およびCP2)はガラスおよびPMMA支持体との剥離強度が極めて低い。本発明の結合剤は剥離強度が従来のEVAベース結合剤の剥離強度よりはるかに高い。]
[0067] EX1の配合物は、α−オレフィン/カルボン酸ビニルエステル/無水マレイン酸ターポリマーの、ガラスまたはPMMAのような支持体に対する優れた接着力を示す。驚くべきことに、配合物EX4およびEX5はEVAの重量比が0.7であっても、剥離強度が官能性モノマーEX1を含むポリオレフィンでみられるものに近い。さらに、結合剤の流動性にかかわらず、EX4およびEX5の結合剤のPMMAに対する接着力は、官能性モノマー(EX1)を含むポリオレフィンのみから成る結合剤に極めて近い。さらに、ヘイズから、ポリオレフィン(B)(EX1およびEX5)を含む配合物は、従来のEVAベースの配合物(CP2)より透明であることがわかる。驚くべきことに、ポリオレフィン(B)とEVAとの混合物(EX5)はポリオレフィン(B)のみ(EX1)よりさらに透明である。]
[0068] 本発明の配合物(EX1およびEX5)の抵抗はEVAベースの比較例の配合物(CP2)の抵抗より高い。
以上の結果から、太陽電池モジュール、その特に封止材料として本発明の結合剤を用いる利点は明らかである。]
[0069] バックシート/結合剤/ガラスまたはPMMA構造物
各成分を[表3]に示す比率で含む結合剤を用いて別の構造物を製造した。
[表3]の配合物の各種成分の顆粒を「Zブレード」を備えるWERNER & PFLEIDERERブランドの密閉式ミキサーに100℃の温度で導入し、配合物を40回転/分で10分間混合する。
各配合物をプレス内で2層のテフロン(登録商標)き間に70℃、100barで5分間置く。300μm厚さのフィルムを得る。
このフィルムをバックシートとガラスシートとの間に置き、構造物を3bar、150℃で20分間プレスする。]
[0070] ]
[0071] この結果は、本発明配合物(EX6〜EX9)が、配合物CP3と比べてガラス支持体およびバックシートとの接着が良好であることを示している。]
[0072] 架橋剤を含む配合物
従来のEVAベースの封止材料配合物における接着力を上げるためには、この配合物にカップリング剤を添加する。この配合物中でカップリング剤の効果を生じさせるには、組成物を架橋する必要がある。従って、本発明の架橋剤を含む配合物と、比較例の結合剤配合物とを調製した。
[表4]の配合物の各種成分を「Zブレード」を備えるWERNER & PFLEIDERERブランドの密閉式ミキサーに100℃の温度で導入し、配合物を40回転/分で10分間混合する。]
[0073] ]
[0074] 各配合物をプレス内で2層のテフロン(登録商標)間に70℃、100barで5分間置く。300μm厚さのフィルムを得る。
剥離強度および耐クリープ性を160℃で測定する。この耐クリープ性はフィルムから切出したIFC(フランスゴム協会)型の試験片で求めた。このフィルムを3bar、150℃で20分間プレス内で架橋する。試験では160℃のオーブンにサンプルを入れて、0.5MPaの応力を15分間加え、室温に戻した後に残留伸びを測定した。]
実施例

[0075] 配合物の耐クリープ性は優れている。
太陽電池モジュール型構造物における接着力を測定するために、上記フィルムをバックシートとガラスシートとの間に置き、この構造物を3bar、150℃で20分間プレスする。このプレスの最後に結合剤が架橋された構造物が得られる。
本発明の実施例から、本発明の配合物の接着レベルが優れていることがわかる。]
权利要求:

請求項1
エチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマー(A)と官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)との混合物を含む結合剤であって、B/(A+B)重量比が0.05〜1である結合剤。
請求項2
B/(A+B)重量比が0.05〜0.5である請求項1に記載の結合剤。
請求項3
ポリオレフィン(B)がエチレンを含む請求項1または2に記載の結合剤。
請求項4
ポリオレフィン(B)の鎖中に含まれる官能性モノマー(X)が共重合されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項5
ポリオレフィン(B)中の官能性モノマー(X)の量が0.05〜10重量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項6
ポリオレフィン(B)中の官能性モノマー(X)が無水マレイン酸である請求項1〜5のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項7
官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)がエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーである請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項8
官能性モノマー(X)を含むポリオレフィン(B)がエチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸コポリマーである請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項9
ポリオレフィン(B)の官能性モノマー(X)が不飽和エポキシド、好ましくはグリシジルメタクリレートである請求項1〜5のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項10
ポリオレフィン(B)がエチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーまたはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマーである請求項1〜5のいずれか一項または請求項9に記載の結合剤。
請求項11
コポリマー(A)がエチレン/酢酸ビニルコポリマーである請求項1〜10のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項12
コポリマー(A)のカルボン酸ビニルエステル含有率が25〜45重量%である請求項1〜11のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項13
結合剤のMFIが1〜400g/10分(190℃、2.16kg)である請求項1〜12のいずれか一項に記載の結合剤。
請求項14
請求項1〜13のいずれか一項に記載の結合剤と、ガラス、ポリマー、金属またはシリコン結晶で作られた少なくとも一つの支持体とから成る層を含み、上記結合剤が支持体に直接接触している多層構造物。
請求項15
請求項1〜13のいずれか一項に記載の結合剤の太陽電池モジュールでの使用。
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